新着情報
2021.03.05
お知らせ-行事
去る3月5日(金)、本校6階にて、50名を送る卒業証書授与式を挙行しました。
社会情勢を鑑みた上での縮小化された式ではありましたが、答辞では、一人一人が3年間を振り返って家族や同級生に感謝の言葉を述べながら感極まる様子も見られ、心温まる時間となりました。
3年生の皆さん、ここまでよく頑張りましたね。新たな舞台でも、さらなる活躍ができることを教職員一同で応援しています。
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以下に、校長式辞の内容を記載いたします。
令和二年度 高等課程
式 辞
厳しい寒さもようやく和らぎ、光の中に春を感じられるようになりました。新型コロナウィルスという非常事態中ではありますが、多数の保護者の皆様のご臨席を賜り、学校法人大橋学園 名古屋ユマニテク調理製菓専門学校高等課程 第十六回卒業証書授与式を盛大に挙行できますことは、卒業生はもとより本校にとりまして、大きな喜びであります。まずは厚く御礼を申しあげます。
さて、卒業証書を授与しました五十名の卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。
みなさんは、「地域を支える次世代を社会に送り出す」という本学園の建学の精神と、「豊かな人間性と確かな技術」という本校の教育理念をより所として、「学力の向上」はもとより、日々の勉学や生徒会活動、並びに委員会活動を中心に、かけがえのない青春を充実させるべく、研鑽の日々を積み重ね、本日、晴れて卒業の日を迎えたのであります。
これは、勿論、みなさん一人ひとりの精進 努力の賜物ではありますが、同時に日夜を問わず、温かい愛情を持って励まし支えて来られましたご家族や先生方、さらには本校創立以来、ご支援を頂いております多くの方々のご援助のお陰でもあります。どうかこの点にも思いをかけて、感謝の気持ちを忘れることなく、一層の精進を積み重ねるよう期待してやみません。
私たち教職員にとって、みなさんは財産です。ましてや、みなさんの喜びの声を聞く時、その都度、大切な宝物を手に入れたように、大きな喜びに打ち震えます。それを楽しみに待っています。
ここ、名古屋ユマニテク調理製菓専門学校はみなさんの母校です。みなさんのご家族が、どれ程みなさんの将来をご心配なさっているかと同様、私たちも同じ思いでいることを、どうぞ忘れないでください。何かに負けそうになった時、まずは、ご家族の顔を思い浮かべ、次に我々のことを思いだしてください。
母校という二文字が、みなさんに万分の1の勇気でも与えることができたならば、この学校は日本一、いや世界一の幸せな学校になると信じています。
この意義ある門出にあたり、卒業生のみなさんには、心に留めておいていただきたいことがありますので、お伝えしたいと思います。
みなさんは木と石だったらどちらが強いと思いますか?石の方が硬くて強そうですが、木が石を割って育つことがあるそうです。石のくぼみに落ちた、一粒の種が芽を出し、何年もかかって石を割りながら根を伸ばし、大地に根を張り、大きな木となるのです。石割り桜とか、石割り松などと呼ばれて、日本のあちこちにあり、見る人を驚かせています。岩手県盛岡市の地方裁判所にある天然記念物エドヒガンザクラが有名ですが、近くでは蒲郡市の西浦温泉にある石割り松も、『ど根性松』として有名です。
柔らかい土に落ちなくても、硬い石の上で、文句も言わないで一生懸命大きくなり、花を咲かせるまでになったのです。石を割って育った桜が、きれいな花を咲かせる姿を想像すると、生きることへの勇気がもらえるなと思います。
みなさんは、本校で立派な芽を出しました。これからどんどん大きくなるために、さらにしっかりした根を張ることが大切です。でも、根を張っていく途中には、やわらかい土もあれば、硬い石もあります。何事もなく進む時はいいですが、何かにぶつかって進まなくなった時、友達や先生、お父さんやお母さんのせいにしてしまいたい気持ちになることもあるでしょう。そんな時、自分に与えられた環境に文句も言わず、じっと頑張って石を割り、立派な花を咲かせる木のことを思い出してください。
慌てないで、ひたむきに努力を続ければ、いつか硬い石のところを通り抜けます。石が硬くて大きい程時間は掛かりますが、その後咲く花はどれほど見事で、周りの人を感動させることでしょう。みなさん一人ひとりに、その力があることを忘れないでください。きっと充実した日々を送ることができると思います。
最後になりましたが、卒業生の保護者の皆様、お子様のご卒業を、教職員を代表しまして心からお祝い申し上げます。皆様方には、この三年間にわたり、本校の教育活動に暖かい御支援と多大なる御協力を賜りましたこと、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
今ここに皆様方からお預かりしました、ご息女をお返しいたします。こんなに立派に成長いたしました。私たちはこの五十名が自慢であり大好きです。どこの高校生にも負けません。胸を張って、「私たちの自慢の教え子たちです」と大きな声で答えます。
それでは、希望に満ちた出発(たびだち)の日に当たり、この学舎を巣立ちゆく皆さんの前途に幸 多からんことを心から祈念して『式辞』といたします。
令和三年 三月五日 校長 星野 正純